有限会社から株式会社への移行

平成18年5月に会社法が施行され、商号変更のみで有限会社から株式会社への移行が可能になりました。

役員の構成も、資本金300万円もそのままで、有限会社から株式会社への移行を行うことができます。

有限会社から株式会社へ移行すれば、対外的な信用度はアップしますが、次のようなデメリットが発生することも十分に考慮する必要があります。

  • 会社名が変わるので、名刺、封筒、ゴム印、看板等を新しく作り直す必要がある。よって、有限会社のままでいる場合と比べて余計な手間とコストが発生する。
  • 銀行口座の名義変更や役所への届出を行わなければならない。
  • 役員の任期満了時に重任等の登記を行わなければなりません。
    ⇒有限会社には役員の任期がないので、改選時の登記は気にする必要がない。しかし、株式会社に移行すると、役員の任期(最長でも10年)満了ごとに重任登記をする必要がある。
  • 決算の公告義務が生じる
    ⇒株式会社には、官報・日刊紙・インターネットのいずれかの方法で決算内容を公告する義務がある。

株式会社への移行の手順

1.株主総会の召集の決定

取締役の過半数をもって、株主総会の召集を決定します。

※取締役が1名の場合は、その取締役の一存で召集を決めることができます。
※有限会社も会社法上は、株式会社とみなされるため、”社員総会”ではなく”株主総会”となります。

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2.株主総会の召集通知の発送

株主総会の開催日の1週間前までに、招集通知を発送しなければなりません。

※発送期限について定款に別の定めがあるときは、その期限までに発送すればOKです。

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3.株主総会の開催

株主総会の特別決議を経て、定款を変更します。

※総株主の半数以上が株主総会に出席し、出席した株主の議決権の4分の3以上の賛成が必要になります。

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4.登記申請

株主総会の決議後2週間以内に登記申請を行います。

具体的には、本店所在地を管轄する法務局で、次の2つの登記を同時に行うことになります。

①特例有限会社の解散登記
②商号変更後の株式会社の設立登記
※登録免許税として、①・②ともに3万円ずつ、合計6万円必要になります。

【注意】役員の任期を確認しましょう!

会社法施行後であっても、有限会社として存続する限りは、これまでどおり役員の任期はありません。

ですが、株式会社へ移行したとたんに任期の問題が生じる可能性があります。

株式会社の役員の任期(原則)は、取締役2年、監査役4年ですから、例えば3年前に有限会社が設立され、設立と同時に取締役に就任した方は、株式会社に移行したと同時に任期切れとなってしまいます。

では、どうすればよいのか。

株式会社への商号変更の際に、定款の任期に関する規定を10年にしておけばOKです。そうすれば、上記の例で言えば、あと7年任期が残っていることになります。

なお、役員に就任してから10年以上経過している方については、任期を10年にする規定を定款に盛込んだとしても、株式会社に移行した時点で任期切れとなってしまいます。

このような場合には、役員変更登記を行うしかありません(残りの任期は株式会社への移行の時から10年となります)。

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