一般財団法人の基礎知識(目次)
一般財団法人の特徴
1.公益にとらわれない自由な事業展開が可能
一般財団法人は、公益を目的とすることを義務付けられていませんので柔軟に事業を展開することができます。
従来の財団法人から一般財団法人に移行した法人については、公益目的支出計画の実施中は公益目的支出計画に定めた事業を実施しなければならないという制限があります。
2.設立者に剰余金等の分配を受ける権利を与えることができない
一般財団法人は、設立者に剰余金、残余財産の分配を受ける権利を与えることができません。
3.自主的な運営が可能
一般財団法人は、行政庁の監督を受けることがないので法人の運営を自主的に行うことができます。
従来の財団法人から一般財団法人に移行した法人については、公益目的支出計画の実施中は行政庁に対する実施報告が義務付けられています。
4.一定の要件を満たせば税制上の優遇を受けることができる
非営利性が徹底された一般社団法人、共益的活動を目的とする一般社団法人については、法人税は収益事業についてのみ課税されます。
5.設立の際に300万円以上の財産を拠出しなければならない
一般財団法人は、設立の際に、設立者が300万円以上の財産を拠出しなければなりません。
一般社団法人は、社員2名以上で設立することができます。設立の際に資金を出資する必要はありません。
一般財団法人の機関
一般財団法人の機関設計には次の2つのパターンがあります。
- 評議員+評議員会+理事+理事会+監事
- 評議員+評議員会+理事+理事会+監事+会計監査人
どのような一般財団法人であっても、評議員(3名以上)、評議員会、理事(3名以上)、理事会及び監事は必ず置かなければなりません。会計監査人は必要に応じて設置していくこととなります。
評議員
| 必要な人数 | 3名以上 |
| 任期 | 選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終了の時まで ※定款の規定により、選任後6年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終了の時まで伸長することができる。 |
評議員会
評議員会は、すべての評議員で構成され、一般社団・財団法人法に規定されている事項及び定款で定めた事項に限り決議することができます。
理事
| 必要な人数 | 3名以上 |
| 任期 | 選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終了の時まで ※定款の規定による短縮が可能。 |
| 注意点 | 同一の一般財団法人またはその子法人の監事との兼任は不可 |
理事会
理事会はすべての理事で組織され、次の職務を行います。
理事会は理事の中から代表理事を選定しなければなりません。この代表理事が一般財団法人の業務を執行することになります。
- 一般社団法人の業務執行の決定
- 理事の職務の執行の監督
- 代表理事の選定及び解職
監事
| 任期 | 選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終了の時まで ※定款によって、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終了の時までとすることができる。 |
| 役割 | 理事の職務の執行の監査 |
| 注意点 | 同一の一般財団法人またはその子法人の理事との兼任は不可 |
会計監査人
| 設置を要する場合 | 大規模一般財団法人(負債合計額が200億円以上の法人)である場合 |
| 任期 | 選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終了の時まで |
| 役割 | 一般財団法人の計算書類及び付属明細書の監査 |
| 資格 | 公認会計士または監査法人であること |
一般財団法人の定款
一般財団法人を設立するためには、設立者が定款を作成しなければなりません。なお、この定款は公証人の認証を受けて初めて法的に有効なものとなります。
一般財団法人の定款に記載する事項は、次の3種類に分けることができます。
必要的記載事項
一般財団法人の定款に必ず記載しなければならない事項(必要的記載事項)は以下の7項目です。
- 名称
一般財団法人は、その名称中に「一般財団法人」という文字を使用しなければなりません。 - 目的
一般財団法人は、公益を目的とする事業にとらわれす、法令に違反しない範囲で自由に事業を展開することができます。 - 主たる事務所の所在地
- 設立者の氏名(名称)及び住所
- 設立に際して設立者が拠出する財産及びその価額
一般財団法人を設立するためには、設立者が300万円以上の財産を拠出しなければなりません。 - 設立時評議員、設立時理事及び設立時監事の選任に関する事項
定款に次のいずれかを記載します。
①設立時評議員、設立時理事及び設立時監事の氏名
②設立時評議員、設立時理事及び設立時監事を設立者の決議によって選任する旨
※②の場合には、定款の認証を受け、財産の拠出が完了した後に設立者の決議によって設立時評議員、設立時理事及び設立時監事を選任します。 - 設立時会計監査人の選任に関する事項(会計監査人を置く場合)
定款に次のいずれかを記載します。
①設立時会計監査人の氏名
②設立時会計監査人を設立者の決議によって選任する旨
※②の場合には、定款の認証を受け、財産の拠出が完了した後に設立者の決議によって設立時会計監査人を選任します。 - 評議員の選任及び解任の方法
理事または理事会が評議員を選任し、または解任することはできません。 - 公告方法
一般財団法人は、公告の方法として次のいずれかを定めることができます。- 官報に掲載する方法
- 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
- 電子公告
- 主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する等の方法
- 事業年度(1年以内で定めなければなりません。)
相対的記載事項
必ずしも記載しなければならない事項ではありませんが、定款に定めておかないと法的な効力が発生しない事項(相対的記載事項)には次のようなものがあります。
- 会計監査人の設置
一般財団法人に会計監査人を置くためには定款にその旨を定める必要があります。 - 評議員の任期の伸長規定
評議員の任期は、定款に定めることによって伸長することができます。 - 理事及び監事の任期の短縮規定
理事及び監事の任期は、定款に定めることによって短縮することができます。
任意的記載事項
法令に違反しない範囲で自由に記載できる事項
一般財団法人の税務
一般財団法人が次のいずれかに該当する法人である場合には、法人税は収益事業についてのみ課税されます。
<非営利性が徹底された法人>
事業により利益を得ることまたは得た利益を分配することを目的としない法人が該当します。
<共益的活動を目的とする法人>
会員から受け入れる会費により、会員に共通する利益を図るための事業を行う法人が該当します。
上記のいずれにも該当しない一般社団法人は、法人税法上、普通法人として取り扱われます。よって、法人税はすべての事業について課税されます。
一般財団法人の法人税率は30%です(所得金額年800万円以下の金額までは22%)。
非営利性が徹底された法人の要件
- 定款に剰余金の分配を行わない旨の定めがあること。
- 解散時に残余財産を国や一定の公益的な団体に贈与することを定款に定めていること。
- 上記1及び2の定款の定めに違反する行為を行ったことがないこと。
- 各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の1以下であること。
共益的活動を目的とする法人の要件
- 会員に共通する利益を図る活動を行うことを主たる目的としていること。
- 定款等に会費の定めがあること。
- 主たる事業として収益事業を行っていないこと。
- 定款に特定の個人または団体に剰余金の分配を行うことを定めていないこと。
- 定款に解散時の残余財産が特定の個人または団体に帰属する旨の定めがないこと。
- 特定の個人または団体に特別の利益を与えたことがないこと。
- 各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の1以下であること。
損益計算書等の提出制度
非営利性が徹底された法人及び共益的活動を目的とする法人は、原則として事業年度終了の日の翌日から4ヶ月以内にその事業年度の損益計算書または収支計算書を主たる事務所の所在地を管轄する税務署に提出しなければなりません。
ただし、以下に該当する法人は、上記の書類を提出する必要はありません。
- ・法人税の確定申告書を提出する法人
- ・上記以外の法人で年間の収入金額の合計額が8,000万円以下の法人


